2010年12月28日火曜日

『実践する経営者』⑦

経営者判断における注意事項です。


犯してはならない5つの大罪。

①利益幅と創業者利益を過信する大罪。利益幅を信奉すると競争相手に市場を提供することになる。利益幅と利益とは同義ではない。最大利益をもたらす利益幅こそ求めるもの。

②市場が受け入れる限度いっぱいに価格を設定する大罪。競争相手にリスクのない機会を提供することになる。

③コストを中心に価格を設定する大罪。有効な価格政策とは価格を中心にコストを設定すること。

④昨日の祭壇にささげるために明日の機会を屠る大罪。

⑤問題にえさをやり機会を飢えさせる大罪。最も成果を上げる人材を機会のある事業に投入し、とことん攻撃的に行動させている。


・今日の経営陣には明日の事業のための決定を今日下すという重大な責務がある。

・今日の経営の成果は主として明日のための準備として現れる。

・今日の経営成果が明らかになるのは明日である。だが高い確率で今日の経営を評価できる。以下の4つを見る。

①投資の結果を期待と比べる。

②人事の結果を期待と比べる。

③イノベーションの成果を期待と比べる。

④計画の結果を期待と比べる。


・計画とは今日の資源を明日のために使うプロセス。

・上記4つに優れた能力を持っていても、間違った事業を行っていては成果は出せない。

・5つの計器チェックによる自社の業績評価

①市場地位 :市場における地位の向上、低下、大事な市場でのシェア改善。

②イノベーションの成績 :イノベーションの成績は市場の地位にあっているか。

③生産性の成績 :各生産要素の生産性を別個に測定。ブルーカラー、事務職、スタッフ、経営管理者に分けて測定する。

④キャッシュフロー

⑤収益性 :3か月のローリング方式で経常利益を見る。


経営者にとって誤差は重要ではない。問題は絶対値ではなく傾向。トレンドを見ることが重要。


(浅沼宏和)