2010年12月19日日曜日

『創造する経営者』⑨

続きです。ビジョンと事業の定義です。


・ビジョンとは全人格的献身ができるもの。「それを心から信じているか」「本当に実現したいか」「本当にその事業を経営したいか」を考える。

・必ず失敗するビジョンとは、確実なもの、リスクのないもの、失敗しようのないもの。

・不確実性やリスクを伴わないビジョンは現実的ではない。未来それ自体が不確実性、リスクを伴う。だからビジョンに対する信念がないと必要な努力が持続しない。


・明日は必ず来る。その明日は今日と違う。


・経営者は未来において何かを起こす責任を受け入れなければならない。

・最大の成果を上げるにはすべての仕事を一つの大きな統合された成果のための計画としてまとめなければならない。

・現在の事業の成果を上げるため、未来に新しい事業を作り上げるためにはそれぞれの行動が必要。

・あらゆる行動についてバランスの調整が必要。

・中核となる3つの意思決定 ①事業の定義  ②卓越性の定義  ③優先順位の設定


・あらゆる企業は自らの事業の定義をもたねばならない。そして事業が代価の支払いを期待できる貢献を描かねばならない。

・「それはわが社の事業ではない。」「それはわが社の仕事の仕方ではない。」というごく簡単なことでもよい。また目標についての膨大な説明でもよい。


・事業の定義が市場に供給すべき満足やリーダーシップを保持すべき領域を規定する。

・事業の定義においては具体的方法、具体的製品については何も言うべきではない。

・事業の定義が有効であるためには成長し、変化していけるだけの大きさのものでなければならない。


・事業の定義から出てくる最も重要な結論の一つは事業の規模に関するもの。「大規模を目指すべきか、小規模にとどまっているべきか」

・あらゆるものを含む言葉でしか自らを定義することができないとすれば、多く行いすぎているために何一つうまく行うことができない状態にあるとみてよい。

・事業について有効な定義をもてないことは危険信号。市場や顧客と無関係に事業を行っていることになる。


・3つの問い

①わが社の事業は何か

②わが社の事業は何でなければならないのか。

③わが社の事業は何にならなければならないか。



・事業の定義は目的を確立し、目標と方向性を設定すべきもの。それはいかなる成果に意味があり、いかなる評価基準が真に適切かを決めるもの。