成果を上げる者は仕事からスタートしない、時間からスタートする。
計画からもスタートしない。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
最後に、得られた自由な時間を大きくまとめる。
『経営者の条件』より
ドラッカーのタイムマネジメント論の発想の源は、20世紀初頭のF.テイラーの時間研究です。
テイラーは工場労働者の作業を分解し、一つ一つをストップウォッチで計測し、最も効率の上がる動作に基づいて賃金のレートを決定するという革命的な方法で、20世紀の産業社会の形成に絶大な影響をもたらしました。
しかし、テイラーの時間研究はやるべきことがだれの目にも明確な古き良き時代を前提に行われたもので、「知識労働」が重視される現代では使えないというのがドラッカーの結論でした。
そこで上記のようなタイムマネジメント論が形成されていったわけです。
ドラッカーの基本的な認識は、知識労働者は十分なタイムマネジメントができていないというものです。
つまり時間の無駄やロスが多いということです。
ドラッカーは完璧な時間管理は不可能であると考えていますが、それでも大きな成果を上げるために必要十分なタイムマネジメントの方法論はあると考えました。
上記の記述はそれを手短に表現したものです。
少し整理しておきます。
①まず手帳やカレンダーなどで実際の時間の使い方を記録し、可視化する
②時間の使い方を類型化する。多くの場合、自分の予想とは違った時間の使い方であることが明らかになる。
③ムダな仕事を排除する。
④空いた時間をまとめて使うようにする。
一番重要なのは時間の使い方を記録しておくことです。正確に記録しておけば改善の視点が出てきます。