ドラッカーは成果には直接の成果、価値への取り組み、人材育成の3つがあると指摘しています。
人材育成についてドラッカーはブライアン看護師のエピソードを紹介しています。
アメリカのある病院では、難しい問題に直面して何らかの答えを導き出すと、
「この答えにブライアン看護師は満足するだろうか。」
と議論するそうです。
ブライアン看護師というのはその病院の古参の看護師で、自分の病棟で何か新しいことが決まりそうになると
「それは患者さんにとっていちばんよいことでしょうか。」
と必ず聞くことで有名なのだそうで、実際、彼女の担当病棟の患者は回復が早いのだそうです。
何年かのちに、病院全体に「ブライアン看護師の原則」がいきわたったのだそうです。
ブライアン看護師が退職した後もこのブライアン看護師の原則によって現場の看護師の水準は高い状態が保たれたということです。
このエピソードが語るのは、仕事のレベルは貢献を意識することによって引き上げられるのだということです。
また、組織や上司は部下や新人たちに対し「ブライアン看護師の原則」を提示しなければならないということです。
(浅沼 宏和)