ドラッカーは人事についておもしろいことをいっています。
「手放せない。いなくては困る」という声に耳を貸してはならない。
ある人が「欠くことができない」という理由は三つしかありえない。
第一に、その者が実際には無能であり、かばってやる必要がある場合である。
第二に、弱い上司を支えるためにその者の強みを使っている場合である。
第三に、重要な問題を隠すため、あるいは取り組みを遅らせるためにその者の強みを使っている場合である。
いずれの場合であっても、「欠くことができない」といわれる者は、なんとしてでもただちに移動させるべきである。
さもなければその者の強みを壊してしまう。
『経営者の条件』より
ドラッカーは成果をあげるためには、人を中心にするのではなく、仕事を中心にする必要があると考えています。
上の話は仕事の中身ではなく、人を中心にしてしまっていることが問題なのです。
「あの人がいなければだめだ」という状況は、組織を最大成果から遠ざけている状況なのです。
これが中小企業に共通する問題点でもあります。
(浅沼宏和)