故意であろうとなかろうと、自らが社会に与える影響については責任がある。
これが原則である。
組織が社会に与える影響には、いかなる疑いの余地もなく、その組織の経営者に責任がある。
『マネジメント』より
東電問題でトピックになった社会的責任論です。
どれほど大きな話であっても根っこはシンプルです。
自らが与える影響について責任を取るべきことは、太古からの法的原則である。
自らの過ちによるものか、怠慢によるものかは関係ない。
この原則を明らかにしたローマの法律家たちは、これを野獣の原則と名付けた。
ライオンが檻から出れば、責任は飼い主にある。
不注意によって檻が開いたのか、地震で鍵が外れたのかは関係ない。
ライオンが凶暴であることは避けられない。
『新しい現実』より
原発が「凶暴」であることは避けられませんから、「万が一」でも事故が起きてはならないわけです。
起きた以上は責任をすべて取るということが原則です。
原発問題は80年代から大きな議論が続いてきましたが、ここ10数年は原発推進派が優勢でした。
しかし、野獣の原則から言えば事故が現実に起きた以上、結果責任を負わねばなりません。
(浅沼 宏和)