ドラッカーは成果をあげる人間関係が生産的であると指摘しました。その延長で次のようにも述べています。
一流のチームをつくる者は直接の同僚や部下とは親しくしないということである。
好き嫌いではなく何をできるかで人を選ぶということは、調和ではなく成果を求めるということである。
そのため彼らは、仕事上近い人間とは距離を置く。
『経営者の条件』より
これはいろいろ意見があるでしょうが、目的は最大成果をあげるために厳しい話もできる関係であるかということでしょう。
明らかに成果があがっていなくても、普段親しくしていると強いことも言えないかもしれませんが、それは逆にビジネスパーソンとして「不誠実」ということになります。
ビジネスである以上、成果をあげることを優先しなければならないということです。
ドラッカーは、リンカーン、F.ルーズベルト、GMのスローンらを引き合いにして、いずれも仕事上の関係者と一線を画していたことを強調しています。
‥友情は仕事と切り離す必要のあることを知っていた。彼らが好きかどうかは仕事に関係のないことであるとした。
孤高を保つことによって多様性に富む強力なチームをつくっていた。
『経営者の条件』より
ドラッカーのマネジメント論は、かなり厳しい話をあっさりとしているところに特徴があります。
(浅沼 宏和)