2011年1月20日木曜日

『経営者の条件』⑮

意思決定の続きです。意思決定には戦略的なものと戦術的なものとがあると思いますが、ドラッカーは戦略的なものとそれに準じる戦術的な意思決定を取り上げているようです。


・成果をあげる意思決定のためには5つのステップがある。


・ステップ1:問題の種類を知る。 
一般的な問題か、何度も起きる問題かを問う。基本的問題は原則・手順を通じて解決する。
例外的問題は状況に応じて個別に解決しなければならない。


・問題の4類型―

①基本的問題の兆候にすぎないもの(大多数がこれ)

②当事者には例外的だが実際には基本的・一般的問題であるもの 

③本当に例外的・特殊な問題 

④新しい種類の問題・一般的問題の最初の表れである問題


・本当に例外的な問題を除き、あらゆるケースが基本の理解に基づく解決策を必要とする。原則・方針・基本による解決を必要とする。

・一度正しい基本を得るならば、同じ状況から発する問題はすべて実務的に処理できる。


・圧倒的に多く見られる間違いは一般的問題を例外的問題の連続として見ること。一般的問題としての理解を欠き、解決についての基本を欠くためその場しのぎの処理となる。


・「常に問題は一般的である」という前提に立つ。

・成果をあげるエグゼクティブは原則や方針によって一般的な状況を解決していく。



できるビジネスパーソンは類推能力が高く、異なる状況の共通点によく気が付きます。

それに比べて今一つ成果のあがらない人は、異なる状況をそのまま異なるものと受け止めてしまうため、以前の経験が生きません。

ドラッカーの「常に問題は一般的である」という前提は重く、これを徹底できる程度に比例して成果をあげられると思います。


(浅沼宏和)