知っている仕事はやさしい。
そのため、自らの知識や能力には特別の意味はなく、誰もが持っているに違いないと錯覚する。
逆に、自らに難しいもの、不得手なものは大きく見える。
『創造する経営者』より
これはドラッカーが「強み」について語った初期のころの記述です。
強みを見つけにくいのは、それが本人にとって簡単すぎるから、誰もができるであろうと考えてしまいがちなためです。
また、後半部分は、自分にできないことはだれもができないであろうと思いこんでしまうことで、その強みを持つ者に出し抜かれる危険があることを述べていると考えられます。
思わぬ角度から思わぬ強敵が突然に現れるかもしれないこと、それだからこそ、自らの強みをできる限り早く認識し、その強みをもとに事業を組み立てなければならないのです。
他社はうまくできなかったが、わが社はさしたる苦労もなくできたものは何かを問わなければならない。
同時に、他社はさしたる苦労もなしにできたが、わが社はうまくできなかったものは何かを問わなければならない。
『創造する経営者』より