2010年6月17日木曜日

柳井正の企業成長論

90年ごろまでは個人事業・零細企業の人材、91年9月から本格的にチェーン展開するようになってからは中小企業・中堅企業の人材が入社してきた。

‥上場してからは停滞期に入ったが、この時期に新しい時代を作っていく高い志ある人々が入社し、それからフリースブームになって、さらに優秀な人たちが大企業から転職してきてくれた。
                            (柳井正『一勝九敗』より)


この記述から、柳井氏は人材のレベルを組織の大きさに照らして3つに類型化していることがわかります。

1、個人事業・零細企業タイプの人材
2、中小企業・中堅企業タイプの人材
3、大企業タイプの人材


ほとんどの企業が中小企業なので、そこでの人材は1か2になります。そして1と2の違いはチームの存在の有無でしょう。

そして、2と3の違いはチーム運営の高度化・高い目標達成といった問題にかかわるでしょう。



‥この成長過程で退社した人たちもいる。

仕事の質や量の高まりや変化についていけなかった人や、何となく会社にぶら下がっていたような人。
‥自分が思っている会社のイメージと違ってきたと感じた人、いわゆる現状維持派。たとえばこんな人たちだ。
人それぞれ考え方が違うので、退職するのも仕方がなかったと思っている。
                        
                                  (柳井正『一勝九敗』より)



柳井氏は零細規模から大企業までのすべてのプロセスを経験している経営者ですので、その感想には重いものがあると思います。

企業が成長していくためには社員の意識が先行して一段階上のレベルに合わせられなければなりません。

しかし、多くの人は保守的ですからそれができないのだと思います。


柳井氏は突出した高い意識の持ち主ですから、その意識レベルの高さについていけない人がいるのは致し方のないところであると思います。


ドラッカーは成長することは個人の責任であると明言しています。
経営者はどれほどの到達点を目指すのかを明示する義務があります。
そしてその組織構成員はそのレベルについていく義務があるといえるでしょう。