だから、ぼくは失敗するのであれば、できるだけ早く失敗するほうがよいと思う。
本のタイトルがそれを示しています。
ほとんどの人が、失敗しているのに失敗したと思わない。
だから、余計失敗の傷口が深くなる。
「回復の余地なく失敗する」ということは、商売や経営の場合「会社がつぶれる」ことを意味する。
なるべく短い助走期間でスタートさせる。
スタートさせて、そこで何かのポイントで失敗する。
そこを次のステップで修正する。いい失敗であれば、必ず次のステップにつながる。
‥「失敗の質」が大事だ。
(柳井正『一勝九敗』より)
柳井氏は失敗を致命的な失敗とそうでない失敗に分けています。
そうでない失敗は恐れる必要がないと考えています。
もうひとつ大事なことは、計画したら必ず実行するということ。
‥商売や経営で本当に成功しようと思えば、失敗しても実行する。また、めげずに実行する。これ以外にない。
‥失敗を早く認識し、ならばどうすればいいかを早く考え実行する企業しか、これからは生き残れないだろう。
‥利益があがらないということは、単純に失敗しているということなのだ。
‥失敗を失敗と認めるのは、自分の行動結果を客観的に分析・評価することができないと難しい。失敗を失敗と認めずにいると、だらだら続けて傷口が広がってしまう。無駄なことだ。
(柳井正『一勝九敗』より)
柳井市の失敗論は明快です。
成功するためには実行が必要であること、一直線に成功への道をたどることはできないので、細かい失敗を繰り返しつつ、フィードバックして方向を調整し、新たに実行を繰り返すことで成功へと向かうことです。
これが本のタイトル『一勝九敗』の主張です。
実を結ぶ打ち手は少ないわけですから、打ち手を多くしなければならないわけです。