小山昇『人を信じても仕事は信じるな!』大和書房、2010年 定価 1,575円
㈱武蔵野のカリスマ経営者・小山昇氏の近著です。
小山氏の著書の優れているのは、言葉の明確な定義と行動原則の提示です。
あれこれ細かい説明も不要なほどわかりやすいので、抜粋しました。
・利益責任は社長にある。実施責任は社員にある。
・社長の決定に「正しさ」は必要ない。
・大切なのは何よりもまず決めること。「違う」と思えばすぐに修正すればよい。
・ビジネスで必要なスピードとは早く取り組むこと。成功しようと思ったら早く走り始めること。
・業界内のレベルはみな同じ。マスタープランを作り方針を明確にし、社員を教育し、戦略化した会社が勝つということだけ。
・真実は時と場所を共有しなければ理解できない。社長は現場に出て自分の目で確かめよ。
・お客様とライバルが変化したら、それに対抗しなければいずれは倒産して会社がなくなる。
・しくみとは「嫌でも自然にそうしてしまうもの」
・他人の時間を無駄にするのは泥棒と同じ。
・お客様にエコひいきされるのがビジネスの基本。それが見た目や正確だろうと仕事上の能力であろうと関係ない。
・現場に同行すれば社長がどんな人に会い、どんな話をしているのか、どこを見て、どのような判断をしているのかがリアルにわかる。社長が持つ知識・知恵・技術・経験を現場で学ぶことができる。
・会社のルールブックを作れ!ルールブックがあれば行動に迷いがなくなる。
・最初から「正しさ」を求めていたらいつまでたってもルールブックなど完成しない。
・ルールブックに明示されたことを実施するのは社員の責務。責務を果たす社員は評価し、果たしていない人には罰を与える。
・チャンスは平等に与えて成績で差をつける。
・正当な理由があってもルールは曲げるな。
・いくら有能でも社長の決定を実施しない人は会社の足を引っ張るだけ。
・そこそこの人材でいいから、しっかりと汗をかいてくれる人を集める。
・性格の悪い人は教育できない。頭がよくて性格の悪いタイプは手に負えない。
・単純な仕事をさせるとその人の特性が分かる。
・マネすることは最高の創造だ。世の中にオリジナルなど存在しない。
・マネを繰り返していると何をまねするべきかを見る目、判断力が育つ。
・成功への近道は丸ごとマネすること。
・嫌なことをさせているうちに、まずは物事の形がそろい、そのあとでだんだんと社員の心もそろってくる。
・「理解」とは、体を使って経験し、自分でもできるレベルのこと。
・人の行動を変えるのは大変。基本的なことをひたすら繰り返す以外に人の行動を変え、ひいては会社全体を変える方法はない。
・部下の「はい」は単なる返事にすぎない。
・大きなことをほめる機会などない。小さなことをたくさんほめる。
・形が大事。どんなに心がこもっていても形にしなければ何も相手に伝わらない。
・「人」をしからず「こと」をしかる。何を叱っているか明確で、「こと」を叱っている限り、むしろ人前でしかるべき。
・目標は目に見える形で示し、実現可能であること。
・報告は5項目に絞る-①数字 ②お客様の情報 ③ライバルの情報 ④取引先の情報 ⑤自分の意見
・クレームは「大変だ!大変だ!」と大騒ぎしろ。
・社員にはお客様の「なぜ」を聞いてこさせる。お客様の変化に対して質問をしてくる社員を作る。
・問題がない時にこそ報告をさせる。
・営業は質ではなく回数が大事。