ドラッカーは製品や市場の性格を変えるイノベーションを4つあげています。
①効用創造戦略
顧客が本当に必要としているものを提供する戦略です。効用戦略はハイテクも特許も関係ありません。顧客のニーズに焦点を当てるだけです。
②価格戦略
価格設定に工夫を凝らすイノベーションです。
剃刀のジレットは、破格の安さの剃刀を販売し、「ひげをそる」というサービスを床屋から奪い取りました。また、ゼロックスはコピー機ではなく、「コピーをする」という行為に破格の安値がつくような価格戦略をとりました。
③顧客の現実に合わせる戦略
顧客が抱える問題点を機会ととらえる戦略です。割賦払いは高額な商品をすぐ入手できるようにするイノベーションでした。
④価値戦略
お客さんからみた価値を中心に既存の知識を組み替えます。そのものではなく、その価値を強調することで原材料からみて大きな価格をつけることができます。ブランド等も価値戦略の一環といえます。
化粧品等はイメージ戦略によって原材料の何十倍もの価格をつけることが可能になっています。
また単なる食材等も「健康食品」と視点を変えるだけで大いにお客さんにアピールできます。
ここらあたりのドラッカーの議論は細かく類型化されているのでわかりにくいところでもあります。
しかし、これらはマーケティングに関するイノベーションになります。
‥顧客にとっての効用、顧客にとっての価格、顧客にとっての事情、顧客にとっての価値からスタートすることはマーケティングのすべてである。
『イノベーションと起業家精神』より