柔道戦略について補足しておきます。
ドラッカーの提唱した柔道戦略は現在の経営理論においても重視されています。
いわば柔道戦略の発展形というべき経営理論を紹介したいと思います。
その代表例がクリステンセンの破壊的イノベーションとムーアのキャズムです。
1、クリステンセンの破壊的イノベーション
クリステンセンは機能は劣るが価格が安い技術を破壊的イノベーションと名付けました。
この破壊的イノベーションがあまり注目されない市場に導入されると、そのうち技術が洗練され、やがて主流市場を脅かすようになると主張しました。
このプロセスは柔道戦略と同じです。
2、ムーアのキャズム
ムーアはハイテク技術を普及させる戦略をキャズムと呼びました。
ムーアはハイテク技術は、まずニッチ市場でトップとなり、その後周辺市場を攻略するのが定石と主張しました。
敵の少ない市場に進出し、これをテコとして巨大市場を投げ飛ばす柔道戦略と同じ考え方です。
ドラッカーの柔道戦略は現在でも重要性を失っていません。