ドラッカーの仕事のマネジメント論の一つの柱が時間管理です。
ドラッカーの時間管理論はテイラーの科学的管理法をホワイトカラーに当てはめようとして編み出されたものといわれています。
テイラーは、作業者の動作をストップウォッチを使って細かく分析し、標準的な作業を設定することで能率を最大化しようとした人物です。ドラッカーはテイラーの業績を最大限に評価しているのです。
ドラッカーの時間管理論とはおおよそ次のようなものです。
・成果を上げるものは仕事からスタートしない。時間からスタートする。
・何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
・時間を記録し、管理し、まとめるという3つの段階が成果を上げるための時間管理の基本。
・成果の限界を規定するものは最も欠乏した資源である時間。
・時間は借りたり、雇ったり、買ったりできない。時間は簡単に消滅し、蓄積できず、すぎ去ったら決して戻らない。だから時間は常に不足する。
・時間こそが本当の制約条件。
・仕事で少しの成果を上げるためにでもまとまった時間が必要。細切れの時間では全く意味がない。時間は大きなまとまりにしなければならない。
・部下に肝心なことをわからせるためだけでも1時間はかかる。15分で理解させることはできない。
・知識労働者には自分で方向付けをさせなければならない。
・組織が大きくなるほど実際に使える時間が少なくなる。
・時間の管理のためにはまず時間を記録する。具体的方法は何でもよい。
・次に体系的な時間管理をする。
・①成果を生まない仕事を見つけて排除する。
・②他の人でもやれることは何かを考える。自分があげるべき成果を考える。
・③自分でコントロールできる時間の浪費の原因を取り除く。
・標準化する。それは判断力のない人間に天才的な人間と同様に仕事をさせる方法。
・繰り返し起きる混乱はずさんさと怠慢の兆候。
・システムの欠陥による時間の浪費、人員過剰からくる時間の浪費、会議の過剰による時間の浪費
・最後に自由になる時間を大きくまとめる
タイムマネジメントの本はたくさんありますが、ドラッカーはその初期を形成する人の一人であると思います。