2010年4月20日火曜日

キリンとサントリーの統合問題

週刊東洋経済2010.4.24号にキリンとサントリーの統合失敗の分析が載っていました。

キリンはshizuginshipでよくプログラムが組まれるので私としても興味のあるところです。

統合失敗については文化の違いであるとか色々あると思います。しかし、現在の経済環境下ではあらゆる業界において統合問題が出てくると思いますので、その点に絞ってまとめてみます。




・キリンとサントリーの統合目的はグローバル競争で勝ち残るのが目的だった。
・日本のビール会社の採算性は低く、海外勢と比べると見劣りした。 -アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)の営業利益率27.8%に対してキリン5.6%(酒税抜きで6.6%)
・キリンとサントリーはここ数年海外事業を強化していた。経営統合すればより大きなM&Aも仕掛けることができた。


・サントリー佐治社長「日本のビール会社の営業利益率は低すぎる。せめて10%はほしい」
・キリンの営業利益の7割強は国内依存。サントリーは8割強。
・某アナリスト「海外に打って出るにしても、その担保となる国内でしっかり稼ぎ続けなければいけない」


・低採算の元凶は国内の過当競争。
・日本の商品開発力は世界一といわれるが、世界標準で考えると不要なほどにレベルが高すぎる。まさにガラパゴス化している
・昨年来の不況の影響で、市場をけん引してきたお茶や水の需要が急減。加えてPBが台頭し、破格破壊が進行している


・飲料業界は数年以内に5社程度に絞られる
・統合すれば両者にとってメリットは大きかった。
・救済型の統合であれば救済されるほうが折れればよい、しかし、両社とも基本的には右肩上がりの収益であった。
・単独でも生き残れないことはないという現実が理想を跳ね返してしまった