2010年4月17日土曜日

神田昌典氏の営業力強化法

人気マーケッター神田昌典氏が週刊ダイヤモンド2010.4.10号において営業の極意について説明していました。
肉食系営業と草食系営業を対比させている点が面白かったです。概要を書きます。



バリバリ押しまくる営業が「肉食系営業」、相手をほのぼのさせるのが「草食系営業」である。
この二つの選び方は自分の性格で考えるのではなく、商品の複雑さとお客様の見込み度に応じて使い分けなければならない。

まず複雑さについて売る商品が決まっている場合は低いと考えられる。例-一般的消費財、生徒募集、ジムやエステサロンなどの会員募集等。
逆にお客様の個別ニーズに応じてテーラーメードしなくてはならない企画提案型商品は複雑度が高い。例-保険、住宅等

一方、見込み度はお客様がその商品を購入する可能性が高いかどうかで判断する。

商品の複雑度が低く、お客も内容を理解していて、かつ見込み度が高い場合には悠長に営業をしていては売れるものも売れない。見込み度の高いお客様にはバリバリ押していく肉食系営業が向く。

反対に見込み度が低い人にはがつがつ売り込んでも嫌われるだけなので草食系営業が向いている。まずじっくりとお客様の話を聞くところから始める。

ただし、時代の流れからいって営業アプローチは肉食系から草食系へとシフトしていっている。

消費者が商品を購入するプロセスは次のように仮定される。

 関心を持つ⇒ 欲求が芽生える⇒ 記憶する⇒ 行動する

今の消費者は関心を持ったら営業マンに接触する前にネットで検索する。
さらに、行動(購買)した後にはメール・ブログ・ツイッターなどで購入した商品の情報をお互いに共有する。

関心から欲求を高め行動へとつないでいくという営業マンとして最も力量を問われる部分がネットに代行されてしまっている。バリバリ営業の環境は失われつつある。

これからはネット上で広告を打つことが重要。そのためには「You Tube」などをCMとして使うとよい。

You Tubeがマーケティングの主要ツールとなったとき、営業マンに求められるスキルは二つ。

①講師スキル :ブレゼンの映像をネットで流すので話す内容、話し方を魅力的にしなければならない。
②「ジャパネットたかた」化 :他社と同じような商品を扱っているのに売れているのは、社長や社員が画面を通じて商品のストーリーを語るから。


しかし、営業マンのすべての仕事がネットで代行されるわけではない。お客様それぞれの要望に適切かつ迅速に対応することは一層重要になる。

30分の面談をする場合、商談が終わった時点お客様にどんな気持ちになってもらいたいか、どんな言葉をかけてもらいたいか(成果)を想像してみて、相手をそのような状態に持っていくために自分は何をするべきかを考える。





言われてみればその通りという単純な話です。
しかし、営業というものの基本特性の変化を意識することと、目的を具体化して正しい打ち手をとるというマネジメントの基本が簡潔に表現されていると思います。
You Tubeの重要性については私も感じるようになっています。