2010年1月8日金曜日

このブログの趣旨

年初なので少しこのブログの基本に戻ろうと思います。


このブログは当社の公式ブログであり、次の3つの目的があります。

1 情報発信目的


2 研究開発目的


3 社内研修目的



当社はドラッカー経営を標榜しているわけですが、ドラッカーの本に書いてあることを、そのまま鵜のみにして実行しようと考えているわけではありません。

もちろんドラッカー理論がベースなので、行間を読みこむような作業をやりますが、そこから得た原則をその他の多くの書籍や事例と照らし合わせ、それに修正を加えるという作業をずっと続けているわけです。



司馬遼太郎の『坂の上の雲』の中で、連合艦隊の作戦を一人で考え出した天才戦略家の秋山真之が、米国留学で著名な戦略家のマハンを訪ねて教えを乞う場面があります。

そこでマハンは真之に次のように教えています。

「‥‥それから得た知識を分解し、自分で編成しなおし、自分で自分なりの原理原則をうちたてることです。自分でたてた原理原則のみが応用のきくものであり、他人から学んだだけではつまりません。」

秋山真之は、その天才的な戦略能力を買われて海軍大学校の初代戦術教官に選ばれるのですが、彼は生徒に次のように教えます。

「あらゆる戦術書を読み、万巻の戦史を読めば、諸原理、諸原則はおのずから引き出されてくる。みなが個々に自分の戦術を打ち立てよ。戦術は借り物ではいざというときに応用がきかない。」

これは海軍戦略の話ですが経営戦略に通じる部分があると思います。



ドラッカー経営を標榜していても、それを丸暗記するだけでは応用できませんので、良書をドラッカーの視点と対比しながら読むという研究開発活動を行っているわけです。

経営戦略というとSWOT分析とか、ファイブ・フォースとか、BSC(バランススコアカード)とかのフォーマットを大汗かきながら埋めていくという研修がよくあります。

私はそういったやり方から生み出される経営戦略のうち、優れたものがさほどないように思うのです。

マハンや秋山真之の言うように、その枠組みが自分のものではなくて借り物でしかないところが問題であるように思うのです。

フォーマットを埋めることが目的となってしまい、良い経営戦略を作成するという本来の目的が見失われがちになると言うことです。

そういうわけで、ドラッカーの思想をベースとして多様な事例や本を検討していくという作業をこのブログを通じて行っているわけです。

現在、ドラッカー理論をベースとしてBSCとISOを柔軟に実行するためにフォーマットを検討中です。

それは会社の考えを尊重してフォーマット自体を組み替えることができるものにしようと思っています。
実行は簡単に、理論的には厳密にと考えているので結構苦労しています。

これからそのあたりの話や関連する話をいろいろ書いていきます。

当面は話があれこれ飛ぶかもしれませんが、この内容はほぼ半年後にとある有名雑誌に掲載される予定です。

しばらくは読みにくい内容になるかもしれませんが、我慢してお付き合いください。