また違った事例です。
ある製薬会社が新分野への進出を図った。それまでの製品ラインではあまりに手薄と判断したためだった。
候補は幾つかあった。いずれの分野でもリーダーシップを握るには新製品の開発が必要だった。そこで3つの分野を選び、それぞれにプロジェクト・チームを編成した。
そのそれぞれにトップマネジメントの人間を一人ずつ参加させた。‥
‥それら3つの新薬開発プロジェクトはあまりに重要であって、必要な決定を必要なときに行うには、最初の段階からトップマネジメントの人間がプロジェクト・チームに参画していることが必要だった。
『マネジメント』より
ただし、こうした事例が拡大解釈されると大きな失敗になるともドラッカーは指摘しています。
もしもその仕事が誰かができるようなものであるならばトップはタッチしてはいけないということなのです。
(浅沼 宏和)