それは次の5つの要素です。
1 競争優位 ‥利益創出の最終的な論理
これは話が簡単で、①顧客が価値を認めるもの ②低コスト ③無競争状態 のいずれかを構築することであるといいます。
最終的な戦略目的はこの3つのどれかを実現することで達成されるわけです。
2 コンセプト ‥本質的な顧客価値の定義
とどのつまり、「誰に何を売っているのか?」を明確にすることだそうです。ドラッカーの戦略論と全く同じですね。
3 構成要素 ‥競合他社との違い、もしくは組織能力
戦略ストーリーをサッカーに例えると、構成要素とは最終的にシュートに持ち込むためのパスのルートの多さのことだそうです。
多様な選手がそれぞれシュートにつなげるために役割分担をするように、競争優位を支える諸要素のことです。
4 クリティカル・コア ‥独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
構成要素の中でも最も重要なものをいいます。次の一貫性の中核に位置するものでもあります。
サッカーで言うと「キラーパス」に該当するものです。
5 一貫性 ‥構成要素をつなぐ因果論理
優れたストーリーは強く、太く、長いといいます。
「強い」とは構成要素同士の因果関係が強力であるということです。
「太い」とは構成要素同士のつながりの数(相互関係)が多いということです。
「長い」とは時間軸における拡張性・展開性が高いということです。
これだけではわかりにくいですね。
明日は、中古車買い取り専門業のガリバーの戦略ストーリーの分析を説明します。
私はドラッカーの戦略論を図式化したものを考案しましたが、それを実務でより使いやすくするのに楠木氏のアイディアが応用できると考えています。
(浅沼 宏和)