ということで、ドラッカーのマネジメント論の骨格を単純化させたものを提示してまとめたいと思います。
ドラッカーのマネジメント概念
≒ 顧客の創造を目指した取り組み
≒ 成果をあげる体系的取り組み
≒ 成果の3領域(市場顧客・商品サービス・流通チャネル)をバランスさせる取り組み
≒ 現在・未来の双方の視点で成果の3領域のバランスを取る取り組み
≒ 広義のマーケティング(現在視点で3領域のバランスをとる)プラス広義のイノベーション(未来視点で成果の3領域のバランスをとる)
と次々と言い換えることが可能です。
この図式からは多くの細かい要素が抜け落ちていて、厳密にイコールで結ぶことは難しいのですが、基本的図式としてはこれで間違いありません。
ドラッカーの体系は大きく複雑で理解しにくい面が多々ありますが、この図式を念頭に置いて読んでいけば、かなり理解しやすくなるのではないかと考えています。
この単純化は、ドラッカー理論の理解について私が行ったイノベーションです。
経営については、コトラーのマーケティング論、ポーターの競争戦略論、ハメル&プラハラードのコア・コンピタンス、チャン・キム&モボルニュのブルーオーシャン戦略、‥等等さまざまな理論があります。
しかし、ほとんどすべての経営理論はドラッカー理論のどこかに当てはめて考えることができます。
ドラッカーほど器の大きい理論は他にありません。
ドラッカーを読んですべてうまくいくわけではありませんが、その他の理論をこの図式で位置づけながら考えることは非常に有効であると思います。
何より、色々な理論の意味を自分の頭で評価する視点を提供してくれるのがドラッカー理論の長所です。
(浅沼 宏和)