今週は多忙を極めたため更新が滞りました。
楠木氏は戦略ストーリー作成の注意点をあげています。
① エンディングから考える。
実現すべき競争優位のタイプとコンセプトの二つをはっきりとイメージすることが大事です。
この二つが明確であると、それを支える構成要素との一貫性を保持しやすくなるといいます。
ひとたびコンセプトが確立されたら、あらゆる打ち手は構成要素と明確な因果関係でつながっていなければなりません。
② 「普通の人々」の本質を見つめる
コンセプトを作る上では「誰に嫌われるか」という視点が大切であるといいます。
誰からも愛されることはだれにも愛されないことと同じであるといいます。
普通の人がほしがるものを価値の中心に据えるとよいといいます。
しかしながら、コンセプトは「今そこにある価値」を超える必要があります。
③ 悲観主義で論理を詰める
打ち手をつなぐ因果論理を詰める時は悲観主義で臨むべきです。しかし、コンセプトについては楽観主義である必要があります。
悲観主義で臨むとは、仕事の現場にいる人々の目に映るシーンを思いうかべるとよいといいます。
ヒト・モノ・カネの制約に苦しんでいる会社であるほど、ストーリーが本当に稼働するか打ち手をつなぐ論理を突き詰めて考えざるをえません。
成功が持続している企業の戦略ストーリーは、さまざまな打ち手が明確な因果関係でがっちりとつながっている一方、一つの打ち手はわりと地味に見えるそうです。
(つづく)
(浅沼 宏和)