2010年3月19日金曜日

一流になる力⑤

小宮氏は一流を目指しての勉強法について言及します。

そしてビジネスパーソンが身につける「技」として次の三つを上げます。

①今の自分の仕事に関係すること
②会計・会社法など、会社に関係すること
③マクロ経済など世の中全体に関係すること

二極社会で認められるためには、どの分野でもよいから、ある一つの分野で一流になることを目指すべきだといいます。
その出発点が、今自分がやっている仕事のスキルを磨くことなのです

特に若いころは完璧な仕事を目指すことが重要であるといいます。
若いうちは会社の業績にかかわるほどの仕事を任せてもらえるわけではありません。
差がついたとしてもほんのわずかなものです。しかし小宮氏ほんのわずかな差が決定的であるといいます。

「わすかな差が決定的」というのが小宮氏独特の視点です。小宮氏の別の著書では、この視点をトップ企業の特徴論において展開しています。

小宮氏の意見はドラッカー的ですが微妙な点で違っています。「完璧」に関する見解です。少し説明します。

ドラッカーはプロフェッショナルは完璧な仕事を約束する人ではないといいます。神でない以上完璧な仕事はできません。しかし、全力を尽くすことは約束できるわけです。

つまり、プロフェッショナルとは常に全力を尽くす人というのがドラッカーの定義です。
この全力というのは100の力を100出すというより、頑張って頑張って110~120出すという感じであるようです。

全力を尽くすことが、完璧を目指すことであるとするならば小宮氏の説明と重なっているといえるでしょう。

(つづく)