2010年3月9日火曜日

高校野球部女子マネージャーとドラッカー①

しばらく最近話題の本について解説していきます。
この本は相当話題のようでドラッカー・マニアの私に「あの本どうですか?」と聞く人がたくさんいます。

これはドラッカーのエッセンシャル版マネジメントを読んだ高校野球の女子マネージャーが、ドラッカーの原則に従って野球部を見事、甲子園に出場させるというお話です。もちろん架空の話です。

著者の岩崎夏海氏はあの秋元康氏の事務所で働いていたのだそうで、さまざまのTV番組にかかわったほか、最近ではアイドルグループのAKB48のプロデュースも手掛けていたそうです。


岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』ダイヤモンド社、2009年   定価 1,680円




ひょんなことから、みなみは都立進学高校の弱小野球部のマネジャーを務めることになった。

マネジャーの仕事が分からないみなみは辞書でマネジャーが「管理や経営をする人」と書いてあったのでそんなものであると勘違いをした。

そこで本屋でたまたま見つけたドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント」を読み、その通りにやろうと決意した。

そこで最初に目にとまった言葉は「‥根本的な資質が必要である『真摯さ』である。」というものだった。みなみはその言葉に衝撃を受けた。

「あらゆる組織において共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには『われわれの事業は何か。何であるべきか。」を定義することが不可欠である。」
に基づき「野球部とは何か?」を考えた。

そのために「企業の目的を使命を定義するとき、出発点はひとつしかない。顧客である。」という原則に基づいた。

その結果、高校野球部の顧客とは、親、学校、東京都、東京都民、高校野球連盟、高校野球ファン、そして野球部員であると考えた。

そして野球部の使命とは「顧客に感動を与えること」と定義された。

つまり野球部とは顧客に感動を与える組織ということを前提にマネジメントすることとなった。






まったく意表をついた設定ですが、ドラッカーを知るのに大変便利な本かもしれません。

話の展開はご都合主義的で、実際の経営はそううまくいくとは思えませんが、よくできていると思います。

非常に省略したまとめ方ですのでわかりにくいかもしれませんが、雰囲気を読み取っていただければと思います。


(つづく)