トーテックアメニティ・サイバーセキュリティ研究所所長の藤原礼征氏の著書が日経新聞ででかでかと宣伝されました。
サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法
藤原礼征著/中経出版 定価1500円+税
本書は、サイバー攻撃の危険性を煽る流行本とは一線を画した本格的な解説書です。
中小企業にとってサイバー攻撃というのは政府機関や有名企業がターゲットになる他人ごとの話のような気がします。
しかし、それは完全に間違いであるというのが藤原氏の主張です。
企業が万が一サイバー攻撃を受けた場合、そこから派生する被害については責任が生じます。
そうしたことに目を配らなければならないという現代の企業経営の難しさを痛感させてくれる本です。
最近はBCPというリスクマネジメントの考え方が出てきていますが、サイバー攻撃についての対応策も企業の責任になってくるでしょう。
ドラッカー流の社会的責任論の原則は以下のとおりです。
「野獣がおりから逃げたら飼い主に責任がある。野獣が危険なことは周知の事実である」=野獣の原則
サイバー攻撃が危険なのは周知の事実ですから企業が対応する責任があるというわけです。
本書を読むと「サイバー」という概念についてきっちりとした知識を得ることができます。
(浅沼 宏和)