ドラッカーはビジネスパーソンの心構えとして「真剣かつ誠実な態度」を求めています。
その中にはプロフェッショナルの倫理基準となるものがあります。
それは「知りながら害をなすな」というものです。
これは古代ギリシアの有名な医者であるヒポクラテスの言葉だそうですが、医者に限らずすべてのビジネスパーソンの行動の指針となるべき言葉です。
簡単に言うと 知っていることについては全責任を負っている ということです。
自分自身が知っていることで他人に迷惑をかけるようなことがあってはならないということです。
これは間違った行動をしないという場合以外にも、積極的に行動しないことで他人に迷惑をかけてはならないといった意味も含んでいます。
こう考えるとこの基準はかなり厳しいものであることがわかります。
自分が知っていることの影響を予測し、可能な打ち手をすべて打たなければならないということです。
完璧な準備を要求する基準といえるでしょう。
(浅沼宏和)