拙著ではドラッカーのマネジメントとは成果をあげるために行動することである」と定義するところからスタートしています。
で、次に具体的な話に入りたいところですが、その前提となる心構えの話になるわけです。
ドラッカーは20世紀においてマネジメントという新しい科学分野を切り開いた人物ですが、最後の最後に立ち戻ってくるのは心構えです。
ドラッカーはその心構えをIntegrity(真摯さ)と表現しています。
真摯さという表現は日常的にはあまり使いませんから、私の本では「真剣かつ誠実な姿勢」という表現に変えました。
こちらの方が「まじめにがんばる!」というニュアンスが伝わるのかなと思ったからです。
こんな心構えは当たり前に聞こえるかもしれませんが、ドラッカーはこうした言葉についても「なぜ当たり前なのか?」「それは何を意味するのか?」を掘り下げるのです。
ドラッカーの本のすごさは誰が読んでも当たり前の話を限界まで掘り下げていくことなのです。
ビジネスパーソンの心構えはとても大切ですから、本書でも3つの角度から説明を加えました。
(浅沼 宏和)