先週、せっかくミンツバーグの戦略論をまとめましたので、ここでドラッカーの戦略計画論と比較してみます。
以下、ドラッカーの戦略プランニングに関する見解です。
・未来は望むだけでは起こらない。必要なものは戦略計画である。
・戦略計画は魔法の杖ではない、思考であり資源を行動に結びつけるものである。手法ではなく責任である。
・戦略計画は予測ではない。未来を予測できないから戦略計画が必要なのだ。
・企業は予測の基礎となる可能性そのものを変えなければならない。
・「不確実な明日のために今日何をなすべきか」
・経済活動とは、現在の資源を未来に、すなわち不確実性に賭けることである。
・より大きなリスクを負担できるようにすることこそ、起業家としての成果を向上させる唯一の方法である。
・戦略計画とは何か
①リスクを伴う起業家的な意思決定を行い
②その実行に必要な活動を体系的に組織し
③それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセス
・最善の戦略計画さえ、仕事として具体化しなければ、よき意図にすぎない。
・成果は、組織のなかの主な人材を割り当てることによってきまる。
『エッセンシャル板 マネジメント』より
ミンツバーグとドラッカーの戦略計画についての理論は非常に近いことが分かります。
ただし、ミンツバーグは創発戦略、つまり自然と出来上がってくる戦略を明確に重視している点がドラッカーと違うところです。
この点についてはミンツバーグが優れていると思います。
ただし、戦略計画についてのまとめ方はドラッカーの方が断然優れています。
こうした警句のうまさはドラッカーの特徴です。
ドラッカーは、戦略計画と戦略思考は同じであると考えています。
ミンツバーグは別物と言っているわけですから、一見すると意見が分かれているように見えます。
しかし、これは言葉の定義の問題にすぎません。両者は、ほぼ同じことを言っていると考えてよいと思います。