2010年2月18日木曜日

「良い現場」と環境整備

昨日(2/17)の日経新聞の経済教室は東大の藤本隆宏教授の日本のものづくりの現場に対する提言でした。

要旨はおおよそこのような感じです。

日本では「現場」が軽視されてきた。

昨今の経済情勢は「良い現場」を残さない限り再生は難しい。
付加価値は設計情報に宿る。それは製造・サービス業を問わない。
ものづくりとは「良い設計」の「良い流れ」を作り、顧客を喜ばせ、自ら成長し利益を得ること。
つまり「現場」とは、設計情報(付加価値)が流れる空間・組織なのである。
ムダをなくして「良い流れ」を作るのが日本型ものづくりの真髄である。

日本の優良な「現場」は、経済危機後も競争力を保っている。「会社はピンチだが現場はチャンスだ」と地道な改善活動を続ける企業も多い。
トヨタの問題は、現場ではなく品質の過信から傲慢となった本社の問題。「強い現場、弱い本社」という企業風土の乱れ。

「現場」は自立した能力構築主体だ。
最後は本社に従うが、自らの能力構築を通じて本社の認識と決定に影響を与える。
現場は本社と密接な関係を持ちつつさらに進化を遂げる必要がある。

という感じです。最後のほうは大幅にはしょってありますが。

私は藤本教授の現場論を読んでいて、環境整備との関連性を考えました。

環境整備は、戦略を反映するものであり、それは「現場」も支えているという図式です。

目に見える状況を徹底的に整える「環境整備」を通じて、現場がさらに進化するための下地がつくられると考えるのです。

素晴らしい水準の現場の環境整備がどのようになっているか創造してみれば容易に納得いただけることと思います。

本気で環境整備活動をやってみた方はすぐわかると思いますが、環境には計画の不具合、段取り不足、モラルの低下といった現象がすぐに現れます。
環境整備状況を入念にチェックするとかなりいろいろなことが見えてきます。

私は藤本教授の考えに環境整備論を加えるとより現場の在り方について具体性が増すと考えています。