知識分析の必要性
先週は現在の事業についてマーケティング的な視点についての分析を検討しました。
ドラッカーは「知識」という概念を重視していますので、知識の観点から現在の事業を考えてみましょう。
ドラッカーは知識についてリーダーシップ的地位を持たない企業は成功することができないと考えています。
ここで知識というのは情報のことではありません。情報を成果獲得のために応用する能力を指しています。
成果とは企業の外にあるもので顧客に関係するものです。ですから知識は顧客の満足や価値観と結び付けられていなければならないわけです。
ライバル企業との関係でみるならば、「わが社に特有の知識とは何だろうか?」という質問が大事になってきます。
この問いは決定的なもので、どんな企業であっても多数の領域で特有の知識を持つことはできません。ほんの2、3の領域だけで特に優れた知識を持つことが可能となります。
企業は、自社の優れた知識の領域に集中しなければなりません。
また、それは製品・サービスの根幹となるべきものであり、副次的な領域の知識が優れていても企業として優越することはできないわけです。
自社の実態を知識の観点からみるということは、
「わが社の強みである知識に対して現実に代金が支払われているだろうか?」
「わが社の知識は製品・サービスに十分組み込まれているだろうか?」
「どのようにしたら改善できるのか?欠けているものは何か?それを満たすためには何をするべきか?」
を繰り返し問わなければなりません。
さて、最後にドラッカーの提唱する知識に関する注意点をあげておきます。
「知識は消え去りやすいものである。したがって常に再確認され、学びなおされ、修練し返さなければならない。」
「いかなる知識も陳腐化してしまい、さらには間違った知識になってしまう。だから知識の有効性と知識の必要性はたえず再検討されなければならない。」