3、非顧客
同じ市場の中にいるのに、自社の製品・サービスを買ってくれない顧客(非顧客)のタイプとその理由を知る必要があるとドラッカーは言います。
それを知ることで成功した例として、夜間でも購入を可能にするショッピングセンター化と通信販売によって非顧客を顧客に変えることに成功した日曜大工道具の製造販売業者の事例があげられています。
また現在は顧客であっても将来の非顧客にならないように、顧客の世界(経済・事業・市場)を取り巻くさまざまな要因、その将来の状況等を良く考えて準備しておくことも重要です。
そのほか、顧客や非顧客の価値観、自由に使えるお金・時間なども調べることで購入決定要因を明らかにしなければなりません。
また状況の急変する場合には、従来とは全く違った方法で顧客満足を図る必要がでてくるかもしれません。こうした事態には臨機応変に対応しないといけないわけです。
特に注意しなければいけないのは、現在意識していない他業種の動向です。いつ何時それらの業種の会社がライバルになるかわかりませんから。
簡単に書いていますが、今回の内容はかなり難易度が高いものであると思います。日常的な現場ではほとんど観察できないものを見ることのできる観察力が必要になりますから。
前に、顧客に聞くより観察が大切と書きましたが、今回のお話はその理由の一つになるわけです。
また、仮に観察できたとしても、「わかっているんだけど変えられない」という場合も多いと思います。
これまでと違ったことに抵抗感を覚えるのが人間の特性です。
しかし、ドラッカーは世界は変化するものであり、変化を当然のことと受け止めることが最もリスクの低い判断であると述べています。
状況が変化したのに自分が変化しなければ厳しい結果が待っているわけです。