4、見落とされやすい顧客実態
特定の業界に長くいると、その業界で当然と思われていることを疑う習慣がなくなってきます。
ですから、顧客がその業界のスタイルになじめなくなったとしても、その原因を顧客のせいにしてしまいがちで、自身のスタイルを変えようとはなかなか思わないものです。
ドラッカーはこうした点に注意を払うべきだと考えます。
企業の側からみて不合理に見える顧客の行動についても、顧客の側からみるとそれなりの合理性があると考えるべきであるというのです。
もしも、企業から見て不合理である顧客の不合理な行動に合理性を見つけることができれば、そこには大きなビジネスチャンスが潜んでいると考えられます。
顧客の行動を、「まったくわかってないな」と思ってしまう前に、自社の対応のほうが時勢をわかっていないのではないかと思わなければならないでしょう。