ドラッカーは未来は予期できないがすでに起きた未来を探すことはできると言っています。
そして最も重要な変化は人口構成であると指摘しています。これは、ドラッカーが初めて指摘して以来、未来予測の最も基本的な視点として今に至っていると思います。
特集の内容を年代別にチェックしていきます。
【世界を変える4つの潮流】
① 中国・米国・インドが世界をリードする
② 2085年に世界人口は100億人を突破
③ 2050年に世界の覇権は中国とインドに
④ 食料とエネルギーの枯渇に勝機がある(世界需要の3分の2は途上国、中国が消費の2割)
【日本の人口減少の影響】
2011~2024年 人口の都市集中が進行。少ない子供を大切に育てる傾向
・東京の人口がピークに到達(1310万人)。10人に1人が東京在住。4人に1人が65歳以上
・年間死亡数が出生数の2倍になる
・3世帯のうち一つは1人暮らし
・65歳以上が30%を超える
・団塊世代が続々と75歳を迎える
2025~2034年 人口減少が本格化。女性の労働力に期待が高まる。
・全都道府県で人口減少が始まる
・都内で働く女性の数が1万2000人増加
・50歳男性の3人に1人が未婚
・男性の10人に1人は80代でも「現役」
2035~2039年 都市に元気なシニアが増大。地方では過疎化が深刻化。
・人口の3人に1人が高齢者(65歳以上)
・東京の年少人口は8%にまで低下
・秋田県の人口は3分の2になる
・長寿化で、首都圏が抱える75歳以上男女の数は約600万人になる
2040~2049年 ついに高齢者も減少。海外の活力に注目が集まる。
・死期を迎える人が増え、葬儀ビジネスが活況。
・3軒に1軒は空き屋になる
・2040年を境に高齢者も減少
2050~ 80代男性、90代女性が当たり前の長寿大国になる
・人が暮らしていた国土の20%が無人化
・日本の人口が6400万人に半減
・日本人の平均年齢が55歳になる(2010年で45.1歳)
・有権者の平均年齢が60歳を超える
・女性の平均寿命は90.34歳に、男性は83.67歳になる
・出生数が2011年の半分になる
・100歳以上が63万4千人になる
人口が減る問題は最も確実に予測できる未来です。
特集記事では、まず女性の戦力化を進め、ついで高齢者の戦力化を進めるということが大切であると述べていますが、論理的帰結として適切でしょう。
そして、ここから読み取れる話として多くの地域から人がいなくなるという事実です。
過疎地域への支援も限界に近付いていると考えるべきということです。
数10年以内に地域から立ち退くという選択肢も視野に入れつつ、行動していくべきということでしょう。
(浅沼 宏和)