日経ビジネス2011.10.17号の特集「選ばざる者は滅びる」に面白い内容がありました。
グローバル競争に勝つであろう企業の紹介なのですが、戦略のタイプ別に解説してあります。
戦略のタイプとは
世界覇権型、大衆攻略型、価値創出型、地域制圧型、要衝掌握型、変幻自在型、技術進化型、人材競争力型、M&A突破型
です。
1、世界覇権型
ブランド・価格・中核技術‥「強み」を「最強」にする徹底力がある。世界市場でリーダーポジションを獲得している。
・「価値創造」を基盤に「地域制圧」を行う
・市場ごとに強みを変える
2、大衆攻略型
大衆の生活に密着し、低価格を武器に設ける。新興国市場のボリュームゾーンで強力なポジションを獲得する。
・したたかなそろばん勘定
・現場に権限移譲
・高コスト開発体制から低コスト開発体制へ
・日本国内の商慣習を打破⇒土着民になる
・1人でも需要を掘り起こす
・新たな市場を創出
3、価値創出型
「ニッポン品質」を武器にブランド力を高める。世界市場で強いプレミアムブランドを展開する。
・品質‥アフタサービスを含めた質の確保で好意的イメージを確立
・認知度‥消費者や流通業者に対する知名度を高め、購入の選択肢に入れる
・忠誠心‥顧客が自らその製品を購入する状態を作り出す
4、地域制圧型
経営資源の集中投下で地域最強を目指す。広域アジア市場など特定地域でリーダーポジションを獲得している。
・拠点膨張方式‥一つの拠点を中心に、文化・習慣の近い周辺国を攻める
・地域延伸方式‥都心部をまず攻略し、経済発展とともに地方都市へ市場を拡大する
・買収浸透方式‥地域に根付く企業や販路を持つ企業を買収し、自社の製品・サービスを浸透させる
5、要衝掌握型
競合との価格競争から取引先との価値「協創」へ。特定の素材・部品、バリューチェーンにおける特定レイヤーを世界規模で占拠する。
・3パターン
①バリューチェーンの一部を占拠する
②新しいチェーンを創造する
③自ら需要を作り出す
6、変幻自在型
種まき・撤退・集中投資で「一番強い自分」を維持する。事業ポートフォリオマネジメントに優れ、成長領域へのポートフォリオ・シフトを継続的に実施している。
・事業の輪作
①有望な事業に集中投資し、収益源に育てる
②収益事業から得た資金を新事業に幅広く投資し、可能性を探る
③成長する見込みのない事業を見極めて、投資を止める
また、別の面からの分類として
Ⅰ、技術進化型
技術至上主義から価値へ。卓越した技術を磨き続けることで競争力を得る。
Ⅱ、人材競争力型
人材の力や多様性を武器に競争に勝つ。世界選抜チームを組み、脱「日本人の会社」を創る
Ⅲ、M&A突破型
世界への近道として時間と手間を買う。
なかなか興味深い分類です。
大本には競争戦略論があるようですが。
(浅沼 宏和)