先週、データエージェント社の月刊『近代中小企業』の別冊付録 「初めての事業計画書の作り方」の原稿を書き終えました。
先月は「運転資金編」を、当月は「創業資金編」を二カ月連続執筆しました。
創業資金編を書くに当たり、改めて統計資料を整理したところ、企業を取り巻く厳しい環境について改めて痛感しました。
会社の場合、創業後の生存率が
1年後が80%、5年後が約53%、10年後が約36%となっています。
つまり、10年で65%の会社が消えてしまうわけです。
これが個人事業になるともっと深刻です。
1年後の生存率が約63%、5年後が約26%、10年後が約12% にまで下がるのです。
つまり10年で9割の事業者が姿を消すのです。
これが事業の厳しさです。
私は今月刊行される創業資金編では
創業は基本的にはやめた方がよい。
もし、その危険を承知したうえで事業に踏み出す場合には、
せめてこの程度の事業計画書は作成できる程度には考え抜いてほしい。
と考えて多少きびし目な内容で書き上げました。編集部の趣旨とはちょっと違うかもしれませんが。
また、私はかねてより公的機関による創業支援には批判的です。
創業講座の受講生が10年後にどうなっているかを調べる必要があると思っています。
上記の数値と比べて良いか悪いかを調査しないと、みすみす失敗者を量産してしまうことになるからです。
(浅沼 宏和)