2011年8月20日土曜日

事業は何か

ドラッカーが企業のマネジメントに置いて最も重視していることは事業の定義です。

『マネジメント』の中で、その具体例として、AT&Tの事業の定義の決定の背景を説明しています。

1910年前後のAT&Tの経営者であったセオドア・ヴェイルは、自社の事業の定義を「サービスである」と決定しました。

これだけでは、意味が分かりにくいので、もう少し詳しい定義に書き直します。


電話事業は地域独占事業であるため、公営事業化されやすい。
また、先進国では民営であることが例外的であった。
アメリカの電話事業会社として民営企業のままでいるためには、世論の支持が不可欠である。
世論の支持は、AT&Tを公営事業化する意見の持ち主を批判するだけでは得られない。
つまり、世論の支持には顧客満足が必要なのだ。
であるから、当社の事業はサービスでなければならない。

というものです。

こうした定義の仕方は時代を経ても通用するものです。


(浅沼 宏和)