ドラッカーの組織論は、すべての組織は職能別組織とチーム型組織の組み合わせでできているというものです。
一般的にはそのように言われていませんが、私はドラッカーの著作の分析からそのように判断しています。
そして後期の著作で示された「情報型組織」とは現代的なチーム型組織です。
職能別組織の長所は安定性・継続性・経済性であり、短所は柔軟性・革新性です。チーム型はその反対になります。
さらにチーム型組織では自律性・自主性が重んじられ、各人の責任がその分だけ重くなります。多様なプロが集まる集団なのです。
以上を踏まえて情報型組織についての記述を読んでみましょう。
情報型組織は責任に基礎を置く。
‥情報型組織は、組織内の個人と部門が、自らの目標、優先順位、他との関係、意思の疎通に責任を持つときのみ有効に機能する。
したがって、情報型組織においては、みなが「いかなる貢献と業績が期待されているか」「何が責任か」‥‥を問わなければならない。
従来の組織は軍をモデルにしている。ところが情報型組織はオーケストラに似ている。
‥情報型組織は自由寛大な組織ではない。規律の厳しい組織である。それは強力かつ決定的なリーダーシップを必要とする。
‥情報型組織がもっとも必要とするものは現場からトップにいたるまで自己規律と責任の上に立つリーダーシップである。
このように情報型組織は基本的にチーム型組織の特性を持っています。
(浅沼 宏和)