ドラッカーは企業規模を判断するために、中核的人材の数で見るべきという提言をしています。
中核的人材が15人程度までが小企業、50人程度までが中企業、それ以上が大企業です。
したがって業種や個々の企業の事情で変わってきます。
もっとも単純に人数だけで判断すると間違うので、あくまで総合的判断が必要ですが。
中企業の場合、たいていはそこまで大きくなった強みのある事業があります。
こうした場合、ついつい他の事業に手を出して失敗をしやすい点を注意しています。
中企業は二流の事業に手を出して失敗しやすい。中企業はすでにそれぞれの分野で一流である。
他の企業にはできないことを楽にこなしている。したがって自信過剰となっている恐れがある。
(「マネジメント」より)
中企業はやはり大企業に比べて資源に乏しいという問題を抱えています。ですから中企業の成功の鍵も「集中」にあるわけです。
二兎を追う者一兎をも得ずという感じでしょうか。
ドラッカーは次のようにも言っています。
中企業とは、特定の重要な分野においてリーダー的な地位にある企業である。
ということは、社員数だけで見てもいけないわけですね。
強みの状況についても考えないといけません。
(浅沼 宏和)