落合監督のプロフェッショナル論とドラッカーの共通点を私なりにまとめると
1、プロは全力を尽くす
2、努力ではなく成果に焦点をあげる(結果がすべて)
3、(結果について)責任を負う
といったことになると思います。
もちろん、勝負師である落合監督の方がドラッカーが入っていることよりも厳しいですが、本質的にはほぼ同じ考え方であると思います。
逆に、「プロ野球選手よりもビジネスマンの方がより厳しい世界で戦っている」 と落合監督は述べています。
勝負を突き詰めることは、とことん合理的な行動です。落合監督は「理屈からするとこうなるはずだ」ということを極めているようです。
あの小さな体格で大男たちに混じって傑出した成績を残したのですから、頭はフル稼働させていたのですね。
また、余談ですが、本書の中で落合監督の現役時代に世間では「落合は外角打ちが得意だ」「外角をホームランにする技術がある」と信じられていたのがウソだったという話が面白かったです。
落合監督は小柄なので、外角をさばく体力は実は無かったのだそうです。そこで真ん中より手前の球を体をくるりと回す技術だけで処理していたということです。
内角の球をライトに運べるはずがないという先入観を持っていた評論家たちが、ライトへのホームランを見て勝手に「外角打ちがうまい」と誤解したのだそうです。
この誤解があったので、ピッチャーが内角に投げてくれたおかげで技術が活かせたのだそうです。
この秘密は現役時代には家族にも話さなかったということです。
「ここまで考え抜いていたのか」と驚かされました。
落合監督に限らず、超一流のプロフェッショナルの言葉はドラッカー理論ととてもなじみます。
今後も、折に触れて分析していきたいと思います。
(浅沼 宏和)