2009年11月29日日曜日

マーケティング―コトラーとドラッカー


前回に引き続きマーケティングについてです。




現代のマーケティング論における第一人者はフィリップ・コトラーです。



彼はマーケティングを初めて戦略的活動として体系的に整理した人物です。


マーケティングが企業の主要な活動として認識されている現在、コトラーの重要性ははかり知れません。



実はこのコトラーはドラッカーのマーケティング概念に大きな影響を受けており、それを自ら明らかにしているのです。



コトラーは、ドラッカーの理論を簡単に実践するための著作である「経営者に贈る5つの質問」においてドラッカーの顧客満足の視点を補足する説明を書いているほどです。



コトラーはドラッカーが企業が自身の事業の定義を絶えず問いただしていくことの重要性を指摘したことを最大限に評価しています。



事業の定義をするということは、その企業全体を説明することにほかなりません。そこで定義された内容をいかに現実化するかという活動がマーケティングに他ならないのです。



コトラーの評価したドラッカーによるマーケティング論への貢献とは



顧客は誰なのか?



顧客はどこにいるのか?



顧客は何を買うのか?



という、一見すると自明のような簡単な質問の重要性をはっきりと示したことです。



これらの質問への解答が実は難しいものであることを認識したところからマーケティング戦略はスタートするのです。



これらに対して当たり障りのない一般的な解答しか思いつかない企業は、独自性のない場当たり的な企業活動をしているということに他なりません。



それが正解であるかは分からないまでも、こうした問いに考え抜いた解答を持ち合わせない経営者についてドラッカーは厳しい視線を向けています。